久度古關四月上申日・十一月上申日
天皇が御命に坐せ 久度古關二所の宮にて 仕へ奉り来れる皇御神の廣前に白し給はく 皇御神の乞ひ給ひし任に 此の所の底つ石根に宮柱廣敷き立て 高天原に千木高知りて 天の御蔭・日の御蔭と定め奉りて 神主に某官位姓名を定めて 進る神財は 御弓・御太刀・御鏡・鈴・衣笠 御馬を引き雙べて 御衣は明多閉・照多閉・和多閉・荒多閉に備へ奉りて 四方の國の進れる御調の荷前を取雙べて 御酒は甕の閉高知り 甕の腹満て雙べて 山野の物は 甘菜・辛菜 青海原の物は 鰭の廣物・鰭の狭物 奥都毛波・邊都毛波に至るまで 雑物を横山の如く置き高成して 献る宇豆の大幣帛を平けく聞しめして 天皇が御世を堅磐に常磐に齋ひ奉り 伊賀志御世に幸へ奉りて 万世に御坐しまさしめ給へと 稱辭竟へ奉らくと申す
又申さく 参集はりて仕へ奉る親王等・王等・臣等・百官人等をも 夜の守・日の守に守り給ひて 天皇が朝廷に 彌高に彌廣に 伊賀志夜具波江の如く 立栄えて仕へ奉らしめ給へと 稱辭竟へ奉らくと申す
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