延喜式(えんぎしき)祝詞(のりと)

伊勢(いせの)大神宮(おほかみのみや)

二月(きさらぎの)祈年(としごひ)六月(みなづき)十二月(しはすの)月次祭(つきなみのまつり)

二月朝使到る日・六月十七日・十二月十七日

天皇(すめら)御命(おほみこと)(もち)て (わた)(らひ)宇治(うぢ)五十鈴(いすず)川上(かはかみ)下津石根(したついはね)稱辭竟(たたへごとを)(まつ)皇大神(すめおほかみ)大前(おほまへ)(まを)さく 
 (つね)(たてまつ)二月(きさらぎ)祈年(としごひ)の〔月次祭(つきなみのまつり)には(ただ)六月(みなづき)月次(つきなみ)(ことば)(もち)相換(あひか)へよ〕大幣帛(おほみてぐら)を 某官位姓名(それのつかさくらいかばねな)使(つかひ)として (ささ)()たしめて(たてまつ)(たま)御命(おほみこと)を (まを)(たま)はくと(まを)

 

豐受宮(とようけのみや)二月朝使到る日・六月十六日・十二月十六日

天皇(すめら)御命(おほみこと)(もち)て (わた)(らひ)山田(やまだ)(はら)下津石根(したついはね)稱辭竟(たたへごとを)(まつ)豐受(とようけ)皇神(すめがみ)(まを)さく
 (つね)(たてまつ)二月(きさらぎ)祈年(としごひ)の〔月次祭(つきなみのまつり)には(ただ)六月(みなづき)月次(つきなみ)(ことば)(もち)相換(あひか)へよ〕大幣帛(おほみてぐら)を 某官位姓名(それのつかさくらいかばねな)使(つかひ)として (ささ)()たしめて(たてまつ)(たま)御命(おほみこと)を (まを)(たま)はくと(まを)

 

四月(うづきの)神衣祭(かむみそのまつり)九月(ながつき)(これ)(なら)へ〕

四月十四日・九月十四日

(わた)(らひ)宇治(うぢ)五十鈴(いすず)川上(かはかみ)大宮(おおみや)柱太(はしらふと)()()高天原(たかまのはら)千木(ちぎ)(たか)()りて、稱辭竟(たたへごとを)(まつ)天照坐皇(あまてらしますすめ)大神(おほかみ)大前(おほまへ)(まを)さく
 服織(はとり)麻続(をみ)(ひと)(ども)(つね)(つか)(まつ)和妙(にぎたへ)荒妙(あらたへ)(おり)御衣(みそ)を (たてまつ)(こと)(まを)(たま)はくと(まを)す 荒祭宮(あらまつりのみや)にも如是(かく)(まを)して(たてまつ)れと(のたま)ふ〔禰宜(ねぎ)内人唯(うちびとをを)(まを)せ〕

 

六月(みなづきの)月次祭(つきなみのまつり)十二月(しはす)(これ)(なら)へ〕

六月十七日・十二月十七日

(わた)(らひ)宇治(うぢ)五十鈴(いすず)川上(かはかみ)大宮(おおみや)柱太(はしらふと)()()て 高天原(たかまのはら)千木(ちぎ)(たか)()りて 稱辭竟(たたへごとを)(まつ)天照坐皇(あまてらしますすめ)大神(おほかみ)大前(おほまへ)(まを)(たてまつ)天津(あまつ)祝詞(のりと)(ふと)祝詞(のりと)を 神主部(かむぬしべ)物忌(ものいみ)()(もろもろ)()(たま)へよと(のたま)ふ〔禰宜(ねぎ)内人唯(うちびとをを)(まを)せ〕
 天皇(すめら)御命(おほみこと)()せ 御寿(おほみいのち)手長(たなが)御寿(おほみいのち)と 湯津(ゆつ)磐村(いはむら)(ごと)常磐(ときは)堅磐(かちは)伊賀志(いかし)御世(みよ)(さきは)(たま)ひ 阿礼(あれ)()皇子(みこ)(たち)をも(めぐ)(たま)ひ 百官人(もものつかさのひと)(ども) (あめ)下四方(したよも)(くに)百姓(おほみたから)(いた)るまで (なが)(たひら)けく (つく)(たま)ふる(いつ)つの(たなつもの)をも(ゆた)かに(さか)えしめ(たま)ひ (まも)(めぐ)(さきは)(たま)へと ()つの(こほり)國國(くにぐに)(ところ)(どころ)()(まつ)れる神戸(かむべ)(ひと)(ども)の (つね)(たてまつ)御調(みつき)(いと) 由貴(ゆき)御酒(みわ)御贄(みにへ)を 横山(よこやま)(ごと)()()らはして 大中(おほなか)臣太(とみふと)玉串(たまぐし)(かく)(はべ)りて 今年(ことし)六月(みなづき)十七日(とをかまりなぬか)の 朝日(あさひ)豐栄登(とよさかのぼり)(たた)(まを)(こと)を 神主部(かむぬしべ)物忌(ものいみ)等諸(どももろもろ)()(たま)へよと(のたま)ふ〔神主部(かむぬしべ)(とも)(をを)(まを)せ〕
 荒祭宮(あらまつりのみや)月讀宮(つきよみのみや)にも如是(かく)(まを)して(たてまつ)れと(のたま)ふ〔神主部(かむぬしべ)(とも)(をを)(まを)せ〕

 

九月(ながつきの)神嘗祭(かむにへのまつり)九月十七日

皇御孫命(すめみまのみこと)御命(おほみこと)(もち)て 伊勢(いせ)(わた)(らひ)五十鈴(いすず)河上(かはかみ)に 稱辭竟(たたへごとを)(まつ)天照坐皇(あまてらしますすめ)大神(おほかみ)大前(おほまへ)(まを)(たま)はく
 (つね)(たてまつ)九月(ながつき)神嘗(かむにへ)大幣帛(おほみてぐら)を 某官某(それのつかさそれの)(くらゐ)某王(それのおほきみ)中臣(なかとみの)某官某(それのつかさそれの)(ぐらゐ)(それの)姓名(かばねな)使(つかひ)()て 忌部(いむべ)弱肩(よわかた)太襁取(ふとだすきとり)()けて 持齋(もちゆ)まはり(ささ)()たしめて (たてまつ)(たま)御命(おほみこと)(まを)(たま)はくと(まを)

 

豐受(とようけの)宮同祭(みやおなじきまつり)九月十六日

天皇(すめら)御命(おほみこと)(もち)て (わた)(らひ)山田(やまだ)(はら)稱辭竟(たたへごとを)(まつ)皇神(すめがみ)(まへ)(まを)(たま)はく
 (つね)(たてまつ)九月(ながつき)神嘗(かむにへ)大幣帛(おほみてぐら)を 某宮某(それのつかさそれの)(くらゐ)某王(それのおほきみ)中臣(なかとみ)某官某(それのつかさそれの)(くらゐ)(それの)姓名(かばねな)使(つかひ)()て 忌部(いむべ)弱肩(よわかた)太襁(ふとだすき)(とり)()けて 持齋(もちゆ)まはり(ささ)()たしめて (たてまつ)(たま)御命(おほみこと)(まを)(たま)はくと(まを)

 

同神嘗祭(おなじきかむにへのまつり)九月十七日

(わた)(らひ)宇治(うぢ)五十鈴(いすず)川上(かはかみ)に 大宮(おおみや)柱太(はしらふと)()()て 高天原(たかまのはら)千木(ちぎ)(たか)()りて稱辭竟(たたへごとを)(まつ)天照坐皇(あまてらしますすめ)大神(おほかみ)大前(おほまへ)(まを)(たてまつ)天津(あまつ)祝詞(のりと)(ふと)祝詞(のりと)を 神主部(かむぬしべ)物忌(ものいみ)等諸聞(どももろもろき)(たま)へよと(のたま)ふ〔禰宜(ねぎ)内人(うちびと)()(とも)(をを)(まを)せ〕
 天皇(すめら)御命(おほみこと)()せ 御寿(おほみいのち)手長(たなが)御寿(おほみいのち)と 湯津(ゆつ)磐村(いはむら)(ごと)常磐(ときは)堅磐(かちは)に 伊賀志(いかし)御世(みよ)(さきは)(たま)ひ 阿礼(あれ)()皇子(みこ)(たち)をも(めぐ)(たま)ひ 百官人(もものつかさのひと)(ども) (あめ)(した)四方(よも)(くに)百姓(おほみたから)(いた)るまで (なが)(たひら)けく(まも)(めぐ)(さきは)(たま)へと ()つの(こほり)國國(くにぐに)(ところ)(どころ)()(まつ)れる神戸(かむべ)(ひと)(ども)の (つね)(たてまつ)由紀(ゆき)御酒(みわ)御贄(みにへ) 懸税(かけちから)千税(ちぢから)(あまり)五百税(いほちから)を 横山(よこやま)(ごと)()()らはして 大中(おほなか)(とみ)(ふと)玉串(たまぐし)(かく)(はべ)りて 今年(ことし)九月(ながつき)十七日(とをかまりなぬか)の 朝日(あさひ)豐榮登(とよさかのぼり)に 天津(あまつ)祝詞(のりと)(ふと)祝詞(のりと)(ごと)(たた)(まを)(こと)を 神主部(かむぬしべ)物忌(ものいみ)()(もろもろ)()(たま)へよと(のたま)ふ〔禰宜(ねぎ)内人(うちびと)等唯(らをを)(まを)せ〕
 荒祭宮(あらまつりのみや)月讀宮(つきよみのみや)にも 如此(かく)(まを)して(たてまつ)れと(のたま)ふ〔神主部(かむぬしべ)(とも)(をを)(まを)せ〕

 

(いつきの)内親王(ひめみこ)()(まつ)(とき)臨時)

神嘗(かむにへ)(みてぐら)(たてまつ)(ことば)(まを)(をは)りて (つぎ)(すなは)(まを)して()
 辭別(ことわ)きて(まを)(たま)はく 今進(いまたてまつ)(いつきの)内親王(ひめみこ)は (つね)(ためし)()りて 三年(みとせ)(いは)(きよ)まはりて 御杖代(みつゑしろ)(さだ)めて(たてまつ)(たま)(こと)は (すめ)御孫之(みまの)(みこと)天地(あめつち)日月(ひつき)(とも)常磐(ときは)堅磐(かちは)に (たひら)けく(やすら)けく御座(おはし)()さしめむと 御杖代(みつゑしろ)(たてまつ)(たま)御命(おほみこと)を 大中(おほなか)臣茂桙(とみいかしほこ)中取(なかと)()ちて (かしこ)(かしこ)みも(まを)(たま)はくと(まを)

 

大神宮(おほかみのみや)(うつ)(まつ)祝詞(のりと)豐受宮(とようけのみや)(これ)(なら)へ〕臨時)

皇御孫命(すめみまのみこと)御命(おほみこと)(もち)て 皇大御神(すめおほみかみ )大前(おほまへ)(まを)(たま)はく
 (つね)(ためし)()りて 廿年(はたとせ)一遍(ひとたび)大宮(おほみや)(あらた)(つか)(まつ)りて (くさぐさ)御装束物(みよそひのもの)五十四種(いそくさまりよくさ) 神宝(かむだから)廿一種(はたくさまりひとくさ)()(そな)へて (はら)(きよ)持忌(もちゆ)まはりて (あづか)(つか)(まつ)辨官(おほどもひ)某位某(それのくらゐそれの)姓名(かばねな)差使(さしつかは)して (たてまつ)(たま)(さま)(まを)(たま)はくと(まを)

祟神を遷し却る祭

延喜式祝詞四(一括表示)

御霊を齋戸に鎮むる祭

祝詞集に戻る